2017年2月2日木曜日

2020年度から始まる大学入学審査で求められる英語力



○入試改革に先駆けて上智大学が導入した英語試験「TEAP(ティープ)」とは?

大学受験シーズンを迎え、受験生と保護者の方は緊張する毎日をお過ごしのことと思います。一方で「一発勝負」の現在の大学受験システムもあと3回。4年後に大学受験を迎える今の中学2年生からは、新しい入試システムがスタートします。


どんな試験に変わるのかはまだ検討中の段階ですが、英語力の審査に関しては、現在のところ既存のいくつかの検定試験の結果を提出することで代替えすることになりそうです。こうした動きに先駆けて、日本英語検定協会(英検)は大学入試に活用できる「英語外部検定試験」TEAP/ティープを開発しており、すでに上智大学では入学試験に採用しています。


TEAPとはどんな試験なのでしょう。サンプル試験がWeb上で公開されているので確認することができます。これを見ると、英語4技能(読む、書く、聞く、話す)のみならず、思考力・判断力・表現力が問われることがわかります。


TEAP CBT スピーキングテスト デモムービー>




○一般的な大学入学に求められるのは、「CEFR」の「B1」レベル

また求められる英語のレベルとしては、一般的な大学ですと、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR/Common European Framework of Reference for Language)B1レベルとなりそうです。


B1レベルとは、「仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作る事ができる」というレベルです。


具体的には、前述のTEAPのサンプル試験のスピーキングビデオに登場する受験生の英語力が、B1レベルを少し超えた程度です。


このレベルに到達するには、日本語話者は2,000時間から2,750時間、能動的に英語に接していなければいけません。一方、初等~中等教育においての英語の授業数は学校によって若干の差はありますが、平均して800時間、英語に力をいれている学校でもプラス100200時間程度といえます。つまり残りの1,000時間から2,000時間は自己努力とならざるを得ないのが現状と言えます。



保護者のかたは、子どもの進路を見据え、この『必要な絶対時間数』をどう子どもに提供していくのかを考える必要があります。